老犬介護ホーム ~温泉ホテルの転用~

2017年05月06日

群馬県の水上(みなかみ)温泉に、廃業した温泉ホテルを転用した老犬ホームがあります。

「老犬介護ホーム みなかみ温泉 寶ホテル」です。

5階建ての建物の1階がロビー、4階・5階はスタッフ等の「人」のためのフロアーです。

2階と3階がわんちゃんのためのフロアーになっていました。

元は客室だった部屋に、預かっているわんちゃんたちがいました。

わんちゃんたちは、普段はケージの中で静かに過ごしています。

でも、寂しくならないように各部屋ともテレビがつけっ放しになっています。空気清浄機に加湿器も稼働していましたし、これから暑くなるとエアコンも各部屋作動させるということでした。

何月何日の何時に何をしたのかという記録を付け、スタッフ全員が情報を共有できる仕組みがありますから、預けた飼い主さんは安心して預けられる態勢だと思います。

お風呂の写真で、床に白いマットが敷いてあるのが分かりますか?動けない高齢犬は、冷たくならないようにあのマットの上でシャンプーをするそうです。空っぽの岩風呂は、常に温泉の湯を張ってはいないそうですが、動けるワンちゃんたちの為に使用しているとのこと。

大広間の写真、わかりますか?畳がちょっと傷んでいますね。実はここが今は高齢犬たちのドッグランになっているのです。適度に畳が傷んでいるのが、かえってわんちゃんたちには良いとのこと。

(岸美知子専務取締役 HPより写真をお借りしています)

わんちゃん相手の仕事は決してもうからないけど…、と笑顔でお話をしてくださったのは、

この施設を運営しているドッグライフプランナーズの専務取締役の岸美知子さんです。

“人間に左右される生き方しかできないわんちゃんを幸せにしてあげたい”

岸専務の熱い想いが言葉となって溢れ出します。

“はっきり言って、儲からないの。でも私もスタッフも生きていかなきゃならないの。生きていかないと、ワンちゃんたちをお世話できないし、幸せにしてあげられないから。だからぎりぎりの瀬戸際で、ここを運営しているのよ。”

“やりたいことをやるために、そして社会に貢献するために、潰さない事業を続けていく”

言葉で言うほど簡単ではないはず。

居抜きで借りたホテルは、できるだけ余計な手をかけずにそのまま使っています。余計な手をかければかけるほど、そのコストは預ける飼い主さんの負担となるからです。

労働集約型である老犬ホームを経営していくには、スタッフの質を維持向上させることは勿論であり、優秀な人材確保が必須です。

そして、適正な料金を頂く。

例えばお客さん欲しさに年間36万円でわんちゃんを預かるとすると、一日換算ではたった1,000円です。これでどうやってお世話ができるのでしょうか?一人で5頭のお世話をしたら、5,000円/日です。時給を800円と安く見積もっても、8時間働くと6,400円ですから、赤字です。ちなみに老犬ホームでは24時間態勢が求められます。適正な料金を頂かなくては、経営は無理です。オープン当初は何とかなっても(無理をして顧客を獲得しても)、5年もしないうちに廃業です。

…、岸美知子専務の言葉の重みを理解していただけたと思います。

取材日:2017年5月4日

老犬介護ホーム みなかみ温泉 宝ホテル

 http://rouken-dlp.com/

ドッグライフプランナーズ

 http://www.dog-lp.com/